“(仮称)リーディングファーム・プロジェクト”とは、農業デベロッパーを活用して大規模用地を農用地として開発・整序し、これからの農業に必要な各機能を備えた、“次世代型農業”創出プロジェクトです。
下記の4つの方向性に沿った個別施策や事業は、既に数多く行われています。しかしながら個別施策と分散的機能整備では相乗効果や効率性には限界があり、目に見える変革の象徴としてもインパクトが小さいと思われます。
そこで本提言においては、下記の機能を備えた、複合的次世代農業振興拠点の整備を提案します。
大規模遊休地を活用し、次世代農業のセンター的役割を果たす”(仮称)リーディングファーム”を整備します。
全体の開発整備は、民間による「農業デベロッパー」が行います。
対象とする敷地は、大規模国有地や大規模民有地などを中心とした遊休地で、一部周辺の耕作地および耕作放棄地等を取り込み、300ha~500ha規模の農場を整備します。(ただし、地域の実情に応じ様々な開発バリエーションが考えられます)
大規模農地に関して、通常の組合形式の共同農場は、あくまで既存農家の大規模農場化が目的であり、消費者側の企業の参入を促すものではありません。それに対し、当農場は大規模農地を耕作権とともにお貸し、また施設を共同利用することにより、農業への企業参入を容易にします。
※「農業デベロッパー」とは、本プロジェクトの推進に関し、当NPOが創出した新たな造語であり、従来の都市再生機構や民間の大規模ニュータウン開発をイメージしたものです。住宅用地の代わりに大規模農業用地、誘致施設ゾーンの代わりに研究開発ゾーンやふれあいセンターゾーンなどを農業デベロッパーが整備します。
官 | 学 | 民 | |
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◎ 全体基盤整備及び大規模農地整備 | ・大規模公有地の低価格賃貸・譲渡(国または県) |
・農業デベロッパーによる全体整備 |
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① 農業従事者の新規雇用・育成機能 | ・職業訓練学校等の農業教育機関の整備(国または県) |
・大学研究科のサテライトラボによる教育プログラムとの連携 |
・研修を経て農業参入企業等のファームで雇用 |
② 企業参入の大規模受け皿機能 | ・大規模農地整備における補助等(国・県) |
・農業デベロッパーが農地整備 |
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③ 研究開発機能 | ・次世代農業を見据えた研究開発施設整備(国) |
・大学研究科のサテライトラボによる研究開発 |
・農機具や設備、農薬等農業関連メーカーの研究開発 |
④ 地域農業活性化支援センター機能 | ・当プロジェクトで農業研修を経た人材の耕作放棄地等における農業参入の斡旋(市町村) |
・近隣地域への高技術営農指導等 |
・近隣地域への高技術営農指導等 |
⑤ 安心・安全促進機能 | ・バイオマス整備またはその支援 |
・有機農法等の技術面での指導 |
・農業生産法人を中心とした循環型農業システム確立 |
⑥ 農業ふれあいセンター機能 | ・センター機能の運営またはその支援 |
・宿泊機能の誘致と体験農業プログラムの実践 |